支出削減のためのステップ
前の記事で保険内容の見直しと保険料の抑制方法を記載しました。
次に、管理組合の支出削減策を具体的に説明します。
支出削減のためのステップ
支出削減検討委員会設置を検討する
通常、管理組合の支出削減は理事会で検討しますが、他項目にわたった大幅な支出削減が必要な場合は、「支出削減のための委員会」設置を検討します。
削減できる項目をリストアップする
削減が可能な項目をリストアップし、削減効果の大きいものから優先順位を付けます。また、簡単に支出削減できるものもすぐに取り掛かります。
難易度が高いもの、所有者の反対が強そうな科目は数年間継続して審議します。
削減する項目の内容を検討し、見積もりを取得する
何をどのように変更するのかを決め、見積もりを取得し比較検討します。出来る限り複数の見積書を取得します。
理事会で採決する
理事会で採決する
総会で採決する
総会に削減策を上程し、採決します。削減効果が大きく、急ぐ場合には臨時総会を招集し採決します。
各ステップの具体的な方法を見ていきましょう
① 支出削減委員会設置を検討する
委員会設置には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットを少なくするために「委員会設置基準」(細則)を設け、委員会設置の期間と委員の選出方法および委員の任期を必ず決めます。(細則の例をページ下に記載)
委員会設置のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
・複数項目の支出削減に取り組む場合、1期の理事会では時間が足りないが、委員会では複数年に渡り審議を継続して行うことが出来る | ・委員会のメンバーが集まらない場合がある。 |
・理事以外の所有者が参加できる | ・長期間にわたり、同じメンバーで重要な決定を下すリスクがあり独裁になる可能性がある |
委員会は、理事会の下部組織として理事会の補助的な役割を担います。理事会を無視して独善的に進める組織になると組合にとって不利益になります。
委員の内、数名はその期の理事が兼任することが望ましいでしょう。(委員会の独り歩きを防止します)
標準管理規約では、委員会の設置は理事会承認で可能ですが、組合によっては総会承認が必要な場合があります。
管理規約を確認し、必要があれば総会承認を経て設置します。
なお、委員会を設置せず理事会で支出削減対策を検討することもできます。この場合には削減できなかった項目は次期理事会に確実に引き継ぎを行い継続審議します。
委員会設置細則 例
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