マンションの神様
「ご意見番」に助けられた新人時代の思い出
マンションにはまれに「ご意見番」なる方が存在している。
マンション内に広く知られた“有識者”というようなポジションを確立し、管理組合活動に物申す人物である。
管理会社の担当者として、いわゆる「ご意見番」の存在は、少しメンドクサイ。なぜなら、理事長もいるのにご意見番の意向もうかがわねばならず、意思決定が複雑になるからだ。
その上、ご意見番は管理会社に厳しいのが一般的だ。
わたしが管理会社でフロント(マンション担当者)として勤めて間もない頃に担当したマンションにもお一人のご意見番が住まわっていた。
理事ではないが理事会に参加したり、マンション内で自治会を作って地域の自治会と連携したり、防災時の対策を検討したり、精力的に活動される高齢の男性だった。
このマンションで管理組合が決算を迎えた時のことだ・・・

あとがき
このコラムを書いた後で、この「ご意見番」は、わたしが幹事役の理事からひどく罵倒されていたことをどこかで見聞きしていたのかもしれないなと、ふと思いました。
混乱のさなかで、目の前のことに対応することで精いっぱいだったのですが、思い返すと、見えないところで、ずいぶん沢山の方に支えられながら仕事をしていたのだなと気付きます。
コラムを書くことで、その頃に伝えられなかった感謝を言葉にしてます。