駐輪場が足りない!問題を考える

 多くの場合マンションは、都市部に建設されます。一般的に地価も高いため、効率的に建物は設計されます。そのような中で最もしわ寄せを食らう施設が、駐輪場です。

 立地や間取り、エントランスの豪華さなどでマンションの購入を決めますが、居住して初めて駐輪場の「使い勝手」の悪さに気付きます。そこで駐輪場を増やそうとなりますが、敷地内に増設のスペースが全くないことが判明する・・・。このようなことが多発しています。

駐輪方法の違い

 比較的郊外で敷地に余裕があるマンションの多くでは、駐輪場は”平置き”といわれる駐輪場が採用されています。

 一方、都心の極狭駐輪場には駐輪ラックという代物が設置されています。

上下2段式や、前輪を固定させたラックが左右にスライドするスライドラック式が多くみられます。

2段式の駐輪ラックの上段の使用は非常に困難で、小学生や女性、高齢者は利用は無理だと感じます。

都心のマンションであればあるだけ、駐輪場は狭小で利用困難なラック式となっていることが多いでしょう。

 しかし、それら使い勝手のわるい駐輪ラックを合わせても住戸につき1~2台分の割り当てしかないことが一般的です。

駐輪スペースは必然的に足りなくなる

 ファミリータイプのマンションで1戸当たり1~2台の駐輪スペースしかなければ、たちまち問題になります。

 マンション購入当初は幼かった子供も、数年たてば小学生になり、自分の自転車を欲しがるでしょう。高校生になれば学校へ自転車で通うようになるかもしれません。親も自転車で通勤や買い物に自転車を必要とし、1家族に3台、4台の自転車が必要となることがあります。

 また、子供を乗せるチャイルドシートが大型化し、駐輪ラックに乗せられない、駐輪すると左右の駐輪の妨げになるなども問題視されています。

 高齢者が多くなったマンションでは、高齢者用の3輪タイプ自転車の駐輪スペースがありません。

駐輪スペースの不足はマンションの外観を損ねる

 駐輪区画の足りないマンションでは、エントランス前に自転車が放置される、各戸の玄関前に駐輪するなど、マンションの外観を損ねる行為が多発する傾向にあります。特に住戸の玄関前に駐輪することは消防法に抵触する可能性があり問題です。

 マンションの購入を検討している人が駐輪場以外に自転車が散乱している様子を見ると、「管理されていないマンション」というイメージを抱いてしまい売却に不利益をもたらす可能性もあります。

現状、駐輪場不足解決は難しい

 そこで、わたしは2台目以降の自転車は折り畳み自転車に限定し、エレベーターには折り畳んで持ち込みそのまま住戸内で保管することを提言しています。(もちろん、駐輪ラックが足りていれば利用できます)

エレベーターの同乗者には少々不便ですが、大きな自転車がエレベーターに持ち込まれることと比較すれば、ストレスは軽減されるでしょう。

また、自転車を住戸内に置くことは管理組合として何の問題もありません。たまにしか使わない自転車ならこの運用が可能なはずです。※この対策を採用するためには規約の改定もしくは使用細則の制定・改定が必要です。

どのような手段を講じたとしても、放置自転車対策に取り組む管理組合の姿勢を見せることが、最も重要です。

▶関連記事 「マンション駐輪場の放置自転車を見分ける」


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