収支計画グラフの見方
収支計画グラフとは
収支計画グラフは、A3横のページで長期修繕計画書に添付されています。
管理組合の修繕積立金の収支や修繕積立金が赤字に陥る時期など一目でわかる表になっています。
この記事では、下記の国土交通省の長期修繕計画書標準様式を基に見ていきます。
収支計画グラフページからわかること
収支計画グラフからは下記の点を読み取れます。
- 年度ごとの予定工事金額合計(棒グラフ)
- 修繕積立金残額推移
- 工事額の累計と推移
- 修繕積立金累計と推移
- 改定後の修繕積立金累計と推移(シミュレーションしていれば)
- いつ、大規模修繕工事が予定されているのか
- このままの修繕積立金で予定工事を実施できるのか など
グラフのポイント
グラフエリアの棒グラフは、年度ごとの計画修繕工事費合計を表しています。
下記のグラフで棒グラフが突出して高くなっている年度がありますが、これはこの年度に大規模修繕工事が計画されていることを意味しています。この計画書では12年周期で大規模修繕工事の実施が計画されていますね。
一番最後の棒グラフ(右端)は、予定工事費の累計を表しています。
緑色の折れ線グラフは、修繕積立金の残高を表しています。
現状の修繕積立金を積み立て、計画書通りに予定工事費で工事を実施した場合の修繕積立金残高です。
工事の少ない時期に積みあがっていき、大規模な修繕を実施する年度は高額の積立金を取り崩しますので、残高は大きく目減りします。このグラフでは大規模修繕工事時期に積立金がマイナスになる予想がされています。
マイナスが予想される場合には、修繕積立金の値上げもしくは工事内容の見直し等を前もって行う必要があります。いずれも直前の見直しではマイナスを回避できないでしょう。
グラフ下の表について
収支グラフの下方に添付されている表は、グラフの算出根拠です。
前の記事「長期修繕計画総括表」と内容は同じです。総括表で理解できるようになればよいでしょう。
長期修繕計画書を理解し、計画を見直すことが重要
超入門的な長期修繕計画書の見方を4回に分けて解説しました。
長期修繕計画書は、重要な管理組合業務の根拠となる資料です。
それは、
- マンションにとって必要な修繕の取捨選択
- 修繕積立金の適正な改定(値上)
です。
この2点を把握する上で、長期修繕計画書は管理組合にとって最も重要な資料です。
この点に活用しなければ、単に「計画書がある」だけで価値はありません。
長期修繕計画書はマンションの実情にすり合わせて変更する必要があります。
お金がないのなら、「最低限の修繕」に止める計画に変更し、「最低限の修繕」を決めたらそのラインまでは修繕積立金を値上げしなければなりません。
毎年勉強会を開く程度に、管理組合の中で重視される必要があるものなのです。
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