長期修繕計画書とは
マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するためには、建物の経年劣化に対して適時適切な修繕工事等を行うことが重要です。そのために、作成されるものが長期修繕計画です。
マンションの運営は長期の「航海」に似ています。何の地図もなく航行することは、たどり着く先を決めていないことと同じです。
マンションの所有者は同じ船に乗る乗組員であり、長期にわたる航海を安全で快適に乗り切るための指針が「長期修繕計画書」なのです。
この記事では、国土交通省が作成している、長期修繕計画標準様式を基に解説します。

長期修繕計画書の重要性
長期修繕計画書は、修繕積立金の根拠となるものですので、マンション所有者さんには大変重要な計画です。この計画がいい加減であったり、計画書中の修繕計画が全く無視されている状況は、管理組合の運営が健全に行われていないことを意味します。
また、毎月徴収される修繕積立金の金額は、この計画書に基づいて算出されています。
見るべきポイントは3か所
長期修繕計画統括表この3点を理解するだけで、効率よく計画書の内容を把握できるようになります。
おさえるポイント3点
- 修繕工事項目・修繕周期等の設定内容 のページ
- 長期修繕計画統括表
- 収支計画グラフ
1,修繕工事項目・修繕周期等の設定内容
この修繕項目と周期のページで工事個所とその周期を確認し、どのような工事内容が実施される予定かを見ることが出来ます。
次に見る長期修繕計画統括表にリンクしていますので見方を理解しましょう。
後の記事で簡単に解説します。

2,長期修繕計画統括表
向こう30年程度の将来にわたって、「どの個所」の「なんの工事」が「いくらの予算」で予定されているかを一覧で見ることが出来るページです。
修繕積立金の収支を併せて確認できます。
重要なページですので後の記事で少し詳しく解説します。
3,収支計画グラフ
先の、長期修繕計画統括表に修繕積立金の推移グラフが付いたページです。
修繕積立金の積み上がり方と、予定工事費の累計を比べることで、修繕積立金の過不足を確認できます。
修繕積立金の改定(値上)を検討する際には、このグラフを用いて値上げ額でのシミュレーションを行います。


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