マンションに来客用駐車場がない時は・・・

マンションに来客用の駐車場がないことに悩んでいる管理組合は多い。

わたしは、分譲マンションには来客用駐車場は不要だと主張している。

参照≫マンションに来客用駐車場はいりますか?

その理由は主に3つだ

  • 利用者が特定の人に限られる傾向がある
  • マナー違反が出てもめる
  • 管理組合の収益が減る

それでも無理なく設置、維持できるのであれば、来客用駐車場は有用であることは確かだ。

と言うことで、今回は、来客用駐車場を確保する手段をいくつか考えてみたい。

機械式駐車場を来客用区画にすることは難しい

まずは、マンションの敷地内に来客用の駐車区画を設置できるスペースがあるかが問題だ。

都市部の大多数のマンションでは機械式駐車場が導入されており、それ以外の駐車スペースがないことが多い。

機械式駐車場の空き区画を来客用に活用しようという考えもあるが、「空き区画」であることからも、下記のような理由で使用しづらいことが多い。

  • 駐車可能な車両サイズが限られている(ハイルーフ車両が駐車できない等)
  • 一番端のパレットな駐車操作が難しい
  • 操作キーが必要であり、居住者以外は操作できない
  • 事故発生の際に加害車両が特定できない

このような理由から、機械式駐車場は来客用駐車場に利用することは現実的でない。

来客用駐車場スペースを探す

では、機械式駐車場しか駐車区画がないマンションはどうするか。

もし、敷地内に車両を止めるスペースがある場合は、そこに居住者とその関係者だけが利用できる時間貸駐車場区画を設置する。

そのスペースとは、マンション敷地内の下記のような場所が候補となる。

  • 工事や修繕の業者さんが来るとき、車両を止めている場所
  • 居住者が一時駐車に利用している場所
  • 居住者が洗車スペースに利用している場所
  • 平置きの月極駐車場区画だが常に借り手がいない区画

駐車区画として利用できるか

来客用駐車場スペースとして候補地があれば、下記の制約をクリアーしているかを確認する。

  • 消防法に抵触していない(緊急車両の駐車スペースでない など)
  • 通路を確保できる
  • 他の車両や自転車・通行人の妨げにならない
  • 公開空地でない
  • 庭でない   他

これらの制約をクリアーしている場所であれば、来客用駐車場への変更が可能だろう。

(洗車スペースを廃止して来客用駐車区画にすることも考えられる)

※現実的には、このようなスペースは都心の分譲マンションにはほとんどない。

駐車利用料はキャッシュレス決済にする

もし、このような格好のデッドスペースがあるなら、館内の関係者のみが使用可能な(予約制の)時間貸駐車場にしてしまうのだ。

この時、必ずキャッシュレス決済を導入する。

現金決済や管理会社への利用申し込みは手間がかかり現実的でないが、今はスマホのアプリを利用できる時代になったため、キャッシュレスの導入が容易になった。

インターネットを探してみると下記のようなサービスが開始されている。

(駐車場予約アプリ「akippa」)

このサービスは利用者を館内の居住者に限定できるため、駐車場使用料は管理組合の収益とみなされず課税対象外となるだろう。

管理組合は収益を上げることが出来る可能性がある。

また、出入りの業者さんも駐車料金は必要だが荷物の出し入れを遠慮なく行うことが出来る。

来客用駐車場スペース設置の手順

場所が確保できる管理組合は下記流れで来客用駐車場の設定を行う。

  1. 理事会で検討する事柄:利用細則の作成(使用料を含む)、キャッシュレスの予約サービス会社の選定
  2. 総会に議案を上程し、総会承認を得る
  3. キャッシュレスの予約サービス会社と契約を行う
  4. 居住者へ利用開始をリリースする
  5. 次回総会で利用状況(収支および利用者数)を報告する

この時、必ず利用細則を設ける必要がある。

遵守すべきマナーと、区画廃止時の目安を利用細則に設けるとよいだろう。

来客用駐車場を廃止する基準を明確にすることで、導入のハードルも下がり総会承認を得やすい。

もちろん、このようなスペースが全くないマンションも多数ある。その場合は、、、またいい案があれば記事にしたい。

初回ご相談は無料です