管理計画認定制度の活用を迷ったときは
マンションが所在する都道府県等の管理計画認定制度が始まっていることは知っている、と言う組合の中で、まずぶち当たるのが「計画書を出すべきかどうか?」問題だ。 ※制度内容については、計画の概略 をご参照ください。
管理計画認定制度は、地方自治体によっては制度自体がないところや、制度はあるが計画書提出は任意であったり、温度差が激しい。
もちろん未提出でも罰則はない。
当然、計画が認定されても今のことろメリットもほぼない。これらのことから、計画書の提出は積極的になれない組合が多いだろう。
その上、提出しても「認定されない」ことが確実視される組合の場合、制度への参加を見送るであろうことは容易に想像できる。
なぜなら、この制度で「認定されない」とは、” 管理不全 ”のお墨付きを得ることと等しいからだ。
管理費会計にお金がないから修繕積立金会計から借りている組合や、長期修繕計画書で工事に費やす費用合計より、修繕積立金収入合計が少ない組合は、管理費や修繕積立金の値上げのが必要だが、値上に関する総会決議ができていない組合が相当数あると考えられる。
この、組合財政の悪化問題は、放置すればするだけ解決が困難になり、手が付けられなくなってしまう。
政府や地方自治体が懸念するマンション管理組合の最大の問題は、「組合の財政破綻」である。
実際、この管理計画認定制度も組合の財政状況を把握したり、前もって破綻を防止することが目的だろう。
マンション管理業協会の前会長である岡本氏も、管理組合の30%以上が財政悪化していると発言している。
管理組合が自らの財政悪化問題を直視する覚悟があるかが、この管理計画認定制度開始で浮き彫りになるのではないか。
この制度の活用を迷ったときには、「認定」されることが目的ではなく、マンションが直面する問題に向き合う良い機会だと捉えるのはいかがだろうか。
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