その他使用料値上げと有料化
前の記事で、駐車場使用料について値上げの検討方法を記載しました。
今回は、マンションが共用で所有するその他施設の使用料値上と有料化の検討について説明します。
その他施設とは、駐輪場、洗車場、ゲストラウンジやオーディオルーム、フィットネスルームなどです。
これらの使用料を値上する、無料なら有料化することを検討します。
「使用料値上」や「有料化」などの収入アップ対策は、利用者の負担増となることから、反対が予想されます。
まずは支出削減対策から始め、その上で使用料の値上げに着手することで管理組合員からの同意が得やすくなります。
管理費会計収入アップ項目リスト
1、使用料の値上げ:駐車場使用料 | 共用の駐車場がある組合 |
2、その他使用料の値上げおよび有料化 | 駐輪場・洗車場・フィットネスルームなどを所有する組合 |
3、収益物の設置(自動販売機・携帯基地局・看板等) | 外部業者から設置依頼がある組合 |
4、駐車場空き区画をサブリースする | マンションの駐車場が一定数空きがある組合 |
使用料を見直す理由
マンションには使用料の有料・無料をと問わず、様々な共用施設が設置されています。その代表例は駐車場および駐輪場ですが、駐輪場使用料の値上げは、居住者に不要な自転車廃棄を促す効果があり、駐輪場不足に悩むマンションにお勧めです。
その他有料の施設とは、ゲストルームやゲストラウンジ、フィットネスルーム、オーディオルーム等です。これら施設は、マンションの経年が進むと使用者が減り、有効活用されていないまま放置される傾向があります。
特に維持管理にお金がかかる施設は、使用料を値上げし、その上で利用者の増減を経過観察する必要があります。
注意】使用料の値上げだけではマンションの財政難を解消することは出来ません。マンションの財政難を解決するためには管理費の値上げが必要ですです。
使用料の値上げは、管理費の値上げを行う前の管理組合が実行するべき対策と考えましょう。
値上の前にチェックするポイント
値上や有料化を議論する際のポイントは以下の通りです。
- 施設利用者と施設利用料収入の増減
- 現在の施設維持費の増減と、将来的な維持費(設備の入替は必要か)
- 居住者が利用している割合(偏った利用者のみで使用していないか)
利用料収入の増減は、毎年総会で報告されている収支報告書で確認できます。最低でも過去5年分のデータをチェックしましょう。
将来的な維持・改修費に関しては、長期修繕計画書に記載されている場合もありますが、管理会社に確認しましょう。
利用者の偏りについては、予約や使用料収入などから確認します。こちらも管理会社に問い合わせてください。
値上に関するアンケートの実施は、様々な意見が出てくることが予想されるため、理事会の判断が難しくなります。総会で値上についての丁寧な説明を行った上で、決議すればよいでしょう。
また、これまで無料で使用できた施設(洗車場や来客用駐車場など)を有料化することは、利用しない所有者との公平性を保つとともにその施設の価値を見極めることが出来ます。
値上や有料化されても多数の居住者に利用される施設のみを存続させることを目指します。
廃止を含めて議論する
使用料の値上げを検討する中で、共用施設廃止がマンションにはより有益であると考えられる場合は、廃止を含めて議論します。
※施設の廃止ステップの記事はこちら
また、廃止議論の際には、廃止した施設跡の有効活用も併せて議論する必要があります。例えば、フィットネスルームを廃止しフローリングだけを残し、ヨガやその他お稽古室として(居住者に)貸し出すなどです。
経費を最小限に抑えることを念頭に有効活用を考えます。

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