LED化でマンションの支出削減に成功

LED化の提案をしたら・・・

管理会社の手口について云々してきたが、時に管理会社の利益と管理組合の利益が一致する場合もある。

マンション共用部の管理は管理組合の責任であり、共用部分の照明にかかる電気代は管理費から支払われるが、この金額は馬鹿にできない額だ。

マンションによっては毎月数十万円に上ることもある。

10年ほど前からLED電球の価格が大幅に下がり、マンション共用部の照明にもLED化の波が押し寄せた。

以前、私の担当マンションの一つに、夜間、周囲に設置されたスポットライトでマンション全体が照らし出され、エントランスからは煌々と光が漏れだす、まるで光御殿のようなマンションがあった。

試算によると、この光御殿に関してLED化の効果は絶大で、5年未満で初期費用を回収でき、電気料金を毎年20万円近く削減できるという。

30戸程度の小ぶりなマンションで年間20万円もの電力削減ができるというのは、大変なコストダウンだ。 私は理事会に共用部証明のLED化を打診してみた。すると、「どうせなら照明の数そのものも減らしたらどうか」という提案が理事長から上がった・・・。

LED化と照明の間引きで経費削減

「電球間引き案」は共用部照明の20%程度を削減するものであった。これほどの光御殿で一度にまとまった数の電球を間引けば、その落差に居住者からクレームが来てしまうのではないかと一抹の不安を感じた。

しかし、とにかくやってみようということで理事会は一致し、外構からエントランス、果ては各階の廊下まで、全体の25%近くの電球を取り外し、「照明削減実験中」と館内に文書を掲示した。(もちろん建築基準法に抵触するような間引きは行っていない。)

実験から2ヶ月、

「どうですか?暗くなりましたか?」

と確認するわたしに、

理事役員一同、

「全く気にならなかった」

「間引きしていることを忘れていた」「問題ない」という感想を述べたのだ。

また、マンションの居住者からの苦情や問い合わせも一切入っていなかった。

もともと、必要以上の照明が取り付けられていたため、間引きしても一般的なマンション程度の明るさを維持しており、エントランスや廊下の明るさに気を留める人はほとんどいなかったのだ。

LED化に電球の間引きを加えたことで、初期投資も抑えられ、3年足らずで元を取り、共用部分の電気代年間30万円近くの削減を達成した。

光り御殿の理由は・・・

それにしても、このマンションの共用部に必要以上の照明が取り付けられていたのは何故か?

その答えは、理事長との会話から判明した。

「このマンションは、電力会社とディベロッパーとのコラボマンションだよ。室内はオール電化だし、インターネットも有料テレビ配信も、電力会社系列でしょ。知らなかったの?」と。

全く知らなかったわたしは、「なるほど・・・」と唸ってしまった。

そして理事長は、その電力会社にお勤めだった。

この費用削減の成果は、所有者がマンション管理に積極的に参加した結果であり、管理組合にとっても私にとっても貴重な成功体験となった。

ちいさな管理 ビル新聞コラム第9話

掲載:株式会社ビル新聞社

あとがき

このコラムで登場するマンションは、理事会が日中開催だったため夜間に訪問することはほとんどありませんでした。

理事長から、かなり照明の多いマンションだよ聞き、照明状態を確認するためだけに夜間訪れたのですが、それはまさに光御殿と呼ぶにふさわしいような様相を呈していました。

特に外構のスポットライトと壁面の照明が多く、建物を浮き立たせていました。

エントランスの照明もふんだんで、中からも光があふれ、周囲のマンションと比べても圧倒的に明るく煌々としていました。

そのようなマンションの照明を大々的に削減するのですから、居住者さんからの苦情を心配しましたが、何のことはない、夜間に帰宅される方はエントランスから入らずに、駐車場や駐輪場と言ったいわゆる「裏口」からマンション内に入り、エレベーターホールに直行していたのです。

ですので、マンション正面の外構やエントランス内の照明を削減しても気にも留めなかったようでした。

当時の理事長はLED化だけでなく、マンション全体の利便性をあげる変更を実施されたのですが、ずっと理事になるまで提案を待っておられたそうです。

昨今は電気料金が値上げされています。必要以上の照明を減らしLED化することは管理組合の経費削減に大きく貢献するでしょう。

LED化にはコツがありますので、管理会社の提案だけでなく、下記の記事も参考に検討してみてください。

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