値上ラッシュの修繕積立金、値上げの後に大切なこと

 マンションの修繕積立金値上ラッシュが止まらない。

 これまで月1万円であった金額が倍や三倍に引き上げられるといった話をざらに聞くようになった。食費や光熱費などを削っても、それをはるかに上回る金額だ。

 とある管理組合では、これまで1万円台半ばだった修繕積立金を倍の3万円前半まで値上げを行った。一方、値上げを採決したその総会では、修繕積立金を着々と使う「予算案」が可決されていた。

管理会社の言いなりになっている管理組合の運営状況を垣間見た。

 値上げしたのなら、合わせて支出を見張ることが必要となる。当然、管理会社以外の見積もりを取得し支出削減を図り、修繕の時期も十分に検討する必要がある。

 それらを行わない管理組合に、将来性があると言えるだろうか。

マンションが持続可能な運営を続けるためには、お金の問題にシビアに取り組むしか道はない。

「値上したら安心」は幻想だ。

 2023年12月19日放送のクローズアップ現代「“老いるマンション” 維持費の高騰にどう備えるか」で報道された、マンション修繕の談合問題に関する深掘り記事はこちら ▶マンションの修繕工事と談合

マンションのお金の問題

マンション管理士事務所/ちいさな管理/マンションのお金の問題 マンションの問題は、すべて財政問題です。 管理組合の収入を増やし、支出を減らす方法を具体的に説明し…

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noteコラム 修繕積立金の値上げ① ~騙されたのか?~

分譲マンションを購入すると、不動産取得費用(マンション価格)だけでなく、管理費及び修繕積立金の支払いが毎月必要となる。

管理費は共用部分の電気代や水道代、管理会社への業務委託費用や日常の修繕に充てられる費用であり、修繕積立金とは大掛かりな修繕や災害の際の復旧に使用される費用を長期的に積み立てるお金である。

マンションによって月々の金額は様々だが、新築時の初期金額はその販売元が設定する。

新築時に販売元が設定する修繕積立金の金額は、ある程度の根拠を基に算出するのだが、

販売を優先するため修繕積立金を低めに設定することが多い

そのため、新築時に設定された修繕積立金だけでは、1回目の大規模修繕工事終了時に積立金が枯渇してしまうことがよくある。

1回目の大規模修繕工事さえ資金が足らず実施できないマンション管理組合も少なくない。

そうすると、管理会社は管理組合に対して「修繕積立金を値上げする必要がありますよね。」と、値上を提案することになる。

これが時に、マンションによって大問題に発展する。

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