理事長からのお呼び出し
雪解けは話し合いから
管理会社のフロント職の寿命は短い。
わたしが当時勤めていた大手の管理会社でも、フロントは2年持たないと言われていた。半年~1年程度で離職していく人が最も多かっただろう・・・
どう育てられるか、初めの半年にかかっていると思う。
わたしは幸運なことに、管理業に長く携わるベテラン中のベテランが直属の上司としてついてくれた。
就職して間もないころ、その上司から引き継ぐ予定になっている大型マンションの理事長から、上司が呼び出しを受けた。 とにかく、話がしたいという・・・

あとがき
この理事長は、相当な覚悟で管理会社の担当者を呼び出したに違いありません。
ゆえに、話し合い開始時の緊張感と、終了時の和やかな雰囲気とのギャップが今でも忘れられません。
本来理事長は、管理組合を代表して各業者さんに改善を依頼し、その結果を報告させ確認する業務を負う必要がありました。しかし、契約外ではあるものの、管理会社が代行しましょうということで話を決着させたのです。
次の理事会で理事長は、この話し合いの経緯と結果を理事の前で説明してくださり、このマンションの特質について皆さんにも情報を共有されました。このことで管理会社への間の不信感がずいぶん和いだと思います。
普段は “セッカチ” な上司が、理事長の話が尽きるまで、”聞くこと”に徹した姿は、ある種の感動を覚えました。
わたしなら話の最中でも、申し開きをせずにはいられないと思ったからです。
相手の話を、(相手が話すことがなくなるまで)黙って聞くという技術は、そうそう身に付くものではありません。
わたしは未だ、道半ばです。