ビル新聞でコラム連載が始まりました

マンション管理コラムがビル新聞で連載開始になりました。

連載いただくビル新聞は、ビル新聞社が発行するビル管理業界の業界紙です。さまざまな方面からビル管理についての情報が発信されています。

国の政策はもちろん、人件費の動向や清掃関連の情報、ビル管理に関する
IT技術などが掲載されており、ビル管理のみならずマンション管理にも活用できる紙面づくりをされています。

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自分の仕事を創造した理由(ビル新聞連載コラム 第1話)

マンション管理業界に転職するまで、わたしは分譲マンションにあまり縁がなかった。

職歴の大部分をメーカーの営業職として過ごし、顧客とは信頼を基に長期的で良好な関係を築くよう教育され、実践してきた。

そんなわたしだが、マンション管理会社に転職し、これまでの価値観とは合い入れないビジネス・モデルを経験することとなった。

分譲マンションの所有者は、マンションの運営に取り組むため、法律で定められたマンション管理組合を組織し、管理費と長期修繕積立金を管理組合に支払う。

管理組合は、日々のマンション管理業務を管理会社に委託し、管理委託費を支払う。

この管理組合と管理会社の関係は特異だ。

マンションの運営について当事者である所有者は全く素人で、運営の元手となる資金は個人ではなく組合名義の資金になるため、使い道について関心が薄い。

一方、管理会社はその道のプロであり短期的にも長期的にもマンションの先行きを見通せる上、顧客の財布の中身は丸見えだ。

そこで、多くの管理会社は日常の管理業務を安価で受託してマンションに入り込み、日常の修理や設備の取り替え、大規模修繕工事などを別途、高額で受注することによって利益をたたき出す。他にも業者からマージンを得たりする。

馴染みの財布を覗いて「今年はどれぐらい使うだろうか?使わせようか?」と頭をひねり、「成長戦略」と称して組合にお金を使わせる任務を各担当者に担わせるのだ。

わたしはこの「商法」になじめなかった。

例えば、感震ブレーカーへの一斉取換えを提案するよう、会社から販売促進令が出たことがある

感震ブレーカーとは、震度5強以上の地震を感知し、電流を遮断する機能を有したブレーカー本体のことだ。

大地震後の火災発生を予防でき、全戸一斉で契約すると安く取り換えられる上、1戸当たり10万円の費用は組合の修繕積立金から取り崩せるという。

一見するとお得な話だが、実は地震時にブレーカーを落とす簡易な外付け装置が市販されているのだ。

お値段1個約3,000円。工事不要、自分で取り付けられる。

これを知っていれば、容易に10万円の商品に飛びついたりしない。

わたしは、会社の提案商品と共に市販品の存在も説明し、採否の判断を管理組合に委ねるようにしていた。

こういう訳だから、マンションの所有者さんからは好感を得ていたが、会社の評価は高いはずがない。

顧客の信頼と会社方針との間で苦しむことが続き、退職を決めた。

ところが、引継ぎでわたしの担当する各マンションに訪問し状況を確認した係長が、こう言った。

「僕は仕事柄、マンションは買わないと決めているけど、もし買うとしたら大野さんの担当するマンションを買いたい。」と。

この言葉がわたしの心に刺さった。

管理会社に雇われず、マンション所有者に寄り添い、その利益を最大化するよう努めれば、日本中のマンションから必要とされるかもしれない。

これから書くのは、マンション管理で経験した、人との触れ合いの悲喜こもごもだ。

コラムを通して、読者の皆さんとマンション管理の未来を探してみたい。

第1話を、ビル新聞社さんの許可を得て、添付いたします。 株式会社ビル新聞社

第1話は、わたしの事業(分譲マンションの管理組合に対する管理スキル提供事業)を立ち上げる経緯と、思い入れを書きました。

この第1話を書くにあたっては、わたし自身が志したもの、そして事業の目的を再確認することができました。

マンション管理は、この10年で激変する業界であると確信しています。
そして今、正念場を迎えていると思っています。

マンション管理業界の動向とわたしの経験談、そしてマンション管理の将来像を、心を込めて書いていきます。

大野かな子