管理組合の監事として知っておくべき基礎知識
1,区分所有法上での監事とは
区分所有法には、一般の管理組合の監事に関する規定はありません。そこで、管理規約で管理組合法人の監事を模して一般管理組合の監事を規定しています。
区分所有法で管理組合法人の監事の職務
- 管理組合法人の財産の状況を監査すること。
- 理事の業務の執行の状況を監査すること。
- 財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすること。
- 前号の報告をするため必要があるときは、集会を招集すること。
2,標準管理規約上での監事とは
標準管理規約とは、国土交通省が作成した各マンションの管理規約の見本です。多くの組合の管理規約は、この標準管理規約を基に作られています。
標準管理規約上での監事の職務(主要項目ピックアップ)
- 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。
- 管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
- 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
- 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
- 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
- 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
- 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
監事の主な役割 5選!(標準管理規約)
- 理事会に出席し意見を述べる
- 管理組合の運営状況を総会へ報告する
- 管理組合運営に不正が認められれば臨時総会を招集できる
- 理事の不正、不当な事実があれば理事会に報告する。この時、理事会の招集を理事長に請求できる
- 監事の請求に対し理事長が理事会を招集しないときには、自ら理事会を招集できる
監事は理事会の出席人数には含まない
標準管理規約では、監事は出席理事の一人としてはカウントされません。
つまり、10人の理事・役員で構成する理事会で、理事会成立のために必要な出席理事の数は5人以上ですが、この5人の中に監事は含まれません。
また監事は、理事会の決議にも加ることはありません。
監事は、理事会に出席はしなければなりませんが、理事としての扱いではなく理事会を監督する職務を担います。
とはいっても、多くの理事会で監事も決議に加わっていることでしょう。
わたしは、あまり堅苦しく運用する必要はないと考えています。
監事の役割、果たしていますか?
監事のポストを引き当てて、ほっとしている方はいませんか?
管理組合運営にとって、監事の役割は非常に重要です。
理事長はもちろん、理事に不正や不当な事実があれば理事会を開いたり、臨時総会を招集するなど重大な任務です。
また、会計年度終了後、管理会社が処理してきた会計資料を監査し、必要があれば修正を求める必要があります。
このように重大な役割である「監事」の職務の一つである、「会計監査」の方法を次の記事でご説明します。
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