総会議案書の書き方とそのポイント

総会は、管理組合の最高意思決定の場です。

その総会における議案書は管理組合にとって最も重要な文書の一つです。

多くの組合では、総会の場に実際に出席する組合員はごくわずかで、ほとんどが委任状もしくは議決権行使書の提出で意思を示します。このため総会の議案書には、十分な説明を記述する必要があります。

この記事では、総会議案書に記載する議案の内容や、書き方のポイントを例文を使ってご説明します。

1, 議案書に記述する4つのポイント!

総会議案書を作成する際は、総会の場には来ず議案書を読むだけで採否を決定する人が圧倒的多数であることを念頭に、議案を作成する必要があります。このため、議案には下記4点を必ず記述します。

  • 発議の経緯
  • 理事会で検討した内容
  • 組合運営に与える影響(メリット・デメリット)
  • 実施詳細

 実際の記述例をいくつか挙げてみます。

記載例1 )議案:委員会の設置

 発議の経緯当管理組合の理事会は、1年任期の全改選制度が採用されており、重大な課題を時間をかけて審議することが困難です。そこで、理事会の諮問機関として委員会を設置し、昨今頻発する高額な修繕工事などに関し、修繕の必要性や工法、費用などより深く検討することとしました。
理事会での検討内容今期理事会では、委員会設置に関して勉強会を開催し、全4回に渡り検討を行いました。委員会細則(案)も理事会で作成しました。
組合運営に与える影響
修繕委員会の設置により、下記が可能になります。
・より多くの組合員が修繕に関して協議に加わることができる、
・幅広い同意形成を図ることができる
・期をまたいだ審議ができる
・発議から審議の経過など、一連の流れを踏まえた決定ができる
なお、委員会は理事会の諮問機関とし、採否は理事会で決議されます。総会承認事案は、総会で承認を得て実施されます。
実施詳細修繕委員会は、本議案および修繕委員会細則議案の可決後ただちに委員の募集を行い、〇月に第1会委員会開催を予定しています。
今期委員会では、○○修繕工事に関して検討を行う予定です。

議案が工事承認の場合には、理事会での検討内容として、相見積もりの有無や比較検討内容を記述します。また、実施詳細に「発注先」(工事会社)、「工事費」、「工事期間」を記載します。

記載例2)議案:修繕工事の承認

理事会での検討内容今期理事会では、○○修繕工事について、3社から相見積もりを取得し、修繕内容および価格の比較により、〇×工務店を工事事業者として選定しました。
実施詳細工事名:○○修繕工事
発注先:〇×工務店
発注額:2,200,000円(税込み) ※修繕積立金取り崩し
期 間:2025年7月~8月の間約1か月
備 考:工事中、仮設事務所の設置により東ゲートからの出入りができない期間があります

2, 特別多数決議議案はより詳細に説明する

総会承認事項には、多数決議(3/4以上の承認)が必要な議案があります。(その他4/5以上の特別決議もある)この場合は、より詳細な説明を記述する他、併せて組合にとって重大な議案であることを記述します。

記載例3)議案:第2駐輪場の撤去とゴミ庫新設

組合運営に与える影響注意)本議案は共用施設の重大変更事項に当たり、組合員数および議決権の3/4以上の同意が必要です。一部の利用者への影響があります。議案内容を熟読の上、判断してください。

3,詳細な説明で関心を高め、トラブルを減らす

理事会で検討した内容の最低限を総会議案書で説明するだけでは、総会が形骸化してしまい、組合活動を盛り上げることは出来ません。理事会がどのような検討を行ったか、議案の可決が組合に与える影響はどのようなものかを丁寧に説明することにより、組合活動への関心を高め、後のトラブルを減らすことができるのです。

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