理事長就任でわかる?管理組合の将来性
疎んじられる理事長就任
管理組合の理事就任は、多くの組合員から疎んじられている。
管理組合の理事会とは、区分所有者である組合員から選出された役員および理事で構成される組織で、日常管理の多くは理事会で決定し、遂行される。理事会は、管理組合における重要な意思決定機関だ。
一般的に理事の職務は半ば強制的に回ってくる。しかし輪番制であっても「就任できない」としてこれを拒否する人は少なくない。“いわんや理事長をや”である。
理事長をくじ引きで決める組合
管理会社のマンション担当者時代の話。理事の選出は輪番の候補者の中から抽選でおこなうという組合があった。理事・役員決定のための抽選会に候補者が招集され、箱の中からくじを引いていく。理事長をはじめとする来期役員も同時に抽選で決定する取り決めとなっていた。
抽選会を欠席した者については、現理事長が代理でくじを引き、強制的に決定していった。
ある年、抽選会を欠席した組合員が理事に抽出され、さらに理事長職まで当たってしまった。
抽選会終了後ただちに次期理事長に抽出された方のお宅を訪問した。
お飾り理事長?でもよいのか
「(抽選会に欠席しているのだから)まあ、留守だろう」と思いきや、なんと当の本人はご在宅だった。
大野:「理事抽選会であなたが理事長となりました。」
理事長候補:「え!わたしが・・・そんな無理です!」
大野:「全力でバックアップしますから、どうぞお引き受けください。」
理事長候補:「忙しいので、出席できるか分かりません…。」
大野:「理事長が出席できる日に理事会を設定しますのでご安心ください。」
理事長候補:「出張でほとんど在宅していません。連絡が取れないかもしれません。」
大野:「何とかします!拒否できません!」
何とかなるかはさておいて、「大丈夫!」を連呼し、次期理事長の印籠を渡すことに成功した。
理事長就任後は能力を発揮
理事長の決め方は抽選だけではない。じゃんけんで理事長を決定する組合もあるが、必ず「負けた人」が理事長となる。まるで理事長職は罰ゲームのようだ。
理事長どころか理事になることさえ忌避し、輪番が回ってくる直前に住戸を売却してマンションを去る人もいる。またある人は、「理事会には関わるな」と父親から教えを受けていると言う。驚きの家訓だが、理解できなくもない。
一方、先に挙げた理事抽選会に出席しなかった方は、理事長に就任すると理事会や管理会社へのクレームに自ら出向いて対応するなど、その能力を発揮した。
管理組合の将来性は予想できる?
親の教えに背いてでも理事の職を引き受け、組合改革に取り組んでくれる人もいる。
片や理事就任は拒否するが組合運営に「口だけ出す」人も少なくない。そして彼らの「声」は往々にして大きく、結果として組合員が理事就任を忌避する要因となっている。
最も多いのは、ただの傍観者よろしく無関心を決め込む人々だ。
この三者(頑張る人、口だけ出す人、無関心な人)の比率が、マンションの未来を左右することは間違いない。あなた自身は、どうだろうか。

コラムあとがき
以前、組合改革に取り組む理事長に対し強力なアンチ組合員が出席する会合に出席した。
”組合運営の困難さ”を示す見本のような会だった。
アンチ組合員は、自分の所有物であるマンションを他人の理事長が改革することを面白く思っていないのだろう。建設的な話し合いにならなかった。
このような”マンションあるある”が、頑張る理事や理事長の心を折り、理事長職は割に合わない「罰ゲーム」とみなされてしまう。しかし、この状況を生み出しているのはアンチ組合員ではない。
見て見ぬふりを決め込む圧倒的多数の「組合員」だ。
組合運営は、無理ゲーなのか? 私の心も折れそうだった。
