瑕疵保険を活用しよう
大規模修繕工事は高額な費用を費やして行う、管理組合の一大イベントです。工事期間も長く、山あり谷ありの険しい道のりが続きます。
さまざまな難所を乗り越える必要がある大規模修繕工事ですが、コンサルタントを採用し、工事の仕様を確定させ、事業者の決定に至ればゴールが見えてくるでしょう。
工事事業者選定に併せて、大規模修繕工事の「瑕疵(かし)保険」の加入を検討しましょう。
大規模修繕工事の瑕疵保険とは
この保険は、加入する被保険者は大規模修繕工事を請け負う工事事業者です。(加入は工事事業者ですが、保険料は管理組合に請求されることが一般的です)
保険対象の大規模修繕工事で実施した部分に瑕疵があった場合、工事事業者(被保険者)が発注者(管理組合)に対し瑕疵責任を負担することで生じた損害について保険金が支払われます。
また、工事事業者が倒産などの事由により責任を履行できない場合には、発注者(管理組合)に対して直接保険金が支払われます。保険期間は原則5年で、特約により10年に延長できる工事内容もあります。
瑕疵保険、メリット・デメリット
この瑕疵保険を工事事業者が付保することは、工事事業者のみならず管理組合にとっても相当のメリットがあります。
ここでは、管理組合のメリット・デメリットについてみてみましょう。
<メリット>
- 工事事業者は保険会社が定める基準に適合する施工を行う必要がある=品質の担保に寄与する
- 工事事業者が倒産した時など、管理組合は保険金を直接請求できる
- 大規模修繕工事に関するトラブルが発生した時に、「住宅紛争処理制度」を活用できる
<デメリット>
- 保険費用が必要
- 大規模修繕工事のすべてが保証されるわけではない
- マンションの築年数や過去の大規模修繕工事の回数、立地条件により保険に加入できないことがある
- どの工事事業者でも保険加入できるわけではない=工事事業者選択の範囲が限定される
この、大規模修繕工事瑕疵保険に加入する事業者はあらかじめ保険会社に事業者登録をする必要があります。保険利用の実績数などが保険協会(瑕疵担保責任保険協会)のホームページで確認できます。管理組合は、この実績数を事業者選定時の比較材料の一つにすることも可能です。
保険金の支払い対象
保険金が支払われる条件は、
- 保険対象工事であること
- 事故箇所が保険対象部分であること
- 施工の瑕疵により発生した事故であること
上記を満たす場合、保険の支払い対象となります。
注意)これらすべてに該当しても、「免責」にあたるときは保険金は支払われません。
主体的に大規模修繕工事に取り組む
大規模修繕工事を検討している組合は、あらゆる方面の情報を集め、その有効性を検討する必要があります。その一つが、「大規模修繕工事かし保険」です。
保険料負担は発生しますが、工事品質の向上とトラブル時の安心材料として保険加入は検討する価値があります。
大規模修繕工事には、どのような問題が発生していて、どの部分に危険性が潜んでいるのか、組合自らが把握し、対策を講じていく必要があります。
大規模修繕工事の成功のために力を尽くすのは、所有者の団体である管理組合自身です。所有者以外に当事者はいないのです。
- <特集>手順を踏めば組合でできる!~大規模修繕工事の進め方~
- 大規模修繕工事をコントロールすることは、長期的なマンション運営の明暗を分けると言って過言ではありません。
この特集では、管理組合が大規模修繕工事を主導するために、手順のひとつひとつを丁寧にご説明します。
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